■■ あくまでも個人的見解によるものです。■■■

■ ワイルドの導入にあたり
野生のポリプテルスには、100%と言っても良いぐらいポリプ特有の
寄生虫が付着しています。
「マクロギロダクティルス・ポリプティ」です。
駆除をしてくれる良心的なショップもありますが、
そうではないショップもあったり、また、見た目駆除できたかのように
見えても、完全に虫が取り切れていない場合もありますので、
後々、自分で治療しなくてはならない事態を迎える場合があります。
治療方法は、「リフィッシュ」・「グリーンFゴールド」等の薬品を使います。
薬の量が多すぎると落ちてしまいますので、細心の注意を払う必要が
あります。
自信が無い場合は、可能な限り、購入したお店で引き取るまでの間、
薬浴してもらう方がBESTでしょう。



■ ワイルドを飼育する上での常備薬
ワイルドの天敵「ポリプティ」という寄生虫は、一旦取れた後でも
ひょんな事から、また出てくる場合が稀にあります。
早期発見・早期治療をすることで、魚へのダメージを軽減させることに
繋がりますので、寄生虫を排除する薬を常備しておく方が良いでしょう!
様々な薬が市販されていますが、個人的に効果性が高いと思う薬は
「リフィッシュ」です。
寄生虫の出方、個体の状態により、薬の投下量は変わりますので、、
一概にどのぐらいの量とは言い切れませんが、個体の状態を見ながら
規定量の1/3〜半分の投与で治療にあたるのがベターかと思います。
水温は高くする必要はありません。25、6度程度で大丈夫でしょう。
但し、入荷直後で粘膜が剥がれ 弱った状態の個体であれば、
いきなりの薬の投与は、かえって魚へダメージを与えるだけで、
最悪、死に至らしめることがありますので、ご注意下さい。
その場合は、少量多回数の水換えとアクアセーフの投与、そして
生餌を与えることで、先ずは個体の体力を回復させて下さい。
(薬の投与による治療は、あくまでも自己責任でお願い致します。)



■ 目の白濁と体の傷

考えられる原因は、2つあります。
一つは水質の悪化です。殆どの場合、水換えで治すことができます。
水換えをしても治らない場合は、意外と盲点なのですが、ろ過BOXの
清掃なども行ってみて下さい。

もう一つの原因は、何らかの障害物に擦り付けてしまったことが考え
られます。ポリプテルスは障害物の付近にいる、その周りを泳ぐ事を
好みますので、その際、何かのはずみで、また、何かに驚き、
パニック状態で暴れたときに、目を擦ってしまう場合があります。
これも、水換えで治すことができます。
傷の度合いや個体差により異なりますが、3日〜1週間程度で完治
します。

目の擦れと同様に、体の擦れの場合も、同じように水換えで治る
場合が殆どです。無理に薬や塩の投与は避けて下さい。

ポリプテルスのケガの殆どは、水換えと時間が解決してくれるのです。
鼻管の損傷の場合は、損傷具合や個体の回復力の差により
一概に治ると断言はできません。

また、ガノイン(鱗)の乱れに関しては、完治はしないでしょう。




■ 背鰭の損傷と手術

ポリプテルスの象徴と言える背鰭・・・。
これが折れると結構凹みますよね!?折れた背鰭は、個体差にも
よりますが、殆どの場合戻ると思います。
途中から曲がって生えている背鰭であっても、根元がしっかりと普通
に生えているのであれば、途中からカットすることで、時間はかかり
ますが、正常の状態に生え変わる確率が高いです。
カッターナイフ等で切る方も多いと思いますが、
台所用のステンレスバサミをお勧めします。背鰭をカットする際、
個体を水槽の外に一旦出すわけですから、少なからず、個体への
負担はかかります。ましてや、人間の手でこねくり回し、体の一部を
切除するわけですから、魚へのストレス・ダメージは相当なものです。
強力なステンレスバサミを使い、一発でカットしましょう!
カットし、水槽に戻した後は、切り口から細菌が入るのを防ぐために
少量多回数の水換えで飼育水を清潔に保って下さい。




■ ワイルドにおける粘膜の剥がれ
入荷後、粘膜が剥がれてくる個体を多く見かけます。
アフリカの地より来たばかりで、日本の水に合わないということも
ありますが、個人的には、「ストレスによる肌荒れのようなもの」と
いう様にも解釈しています。
自然下で生息していたものを、人間が捕まえ、その後、遠い日本まで
輸送され、問屋〜お店の狭いタンクに入れられ、おまけに激薬を投与
されているわけですから、ストレスを感じずにはいられませんよね?
人間もこのような状況下におかれるとストレスを感じ体調を壊すと
思います。単なる肌荒れで終わる個体もいますが、中には致命傷に
繋がる場合もあります。
治療方法は、1〜2日おきに水槽の1/5程度の水換えを行い、
アクアセーフ等の粘膜保護剤を投与して下さい。
大量の水換えは逆に命取りになります。
粘膜は魚にとって必要不可欠なものですので、できるだけ、粘膜を
剥がさない感じで治療を行うのがコツかと思います。
大量の水換えによって粘膜を完全に剥がした場合、
ポリプにとっては、雑菌から無防備な状態となります。
右の画像は、誤って大量に水換えをして落としてしまった個体の
画像です。落ちる時は、一気に逝ってしまいます。



■ ワイルド個体に潜む腹の虫
これは、「自然界で生息していたのだからから仕方がない・・・。」
と考えるべきでしょう!
採れた産地(エリア)によって差があると思いますが、
腹の中に何らかの回虫らしき生物がいる場合があります。

まれにポリプティ駆除のため、リフィッシュ等の薬品を投与した場合や、
餌を食べた後、何らかのはずみで肛門から排出されるのです。
白色で、長く平べったい水生生物が、水中をウネウネと漂い、
肉眼でもはっきりと確認することができます。
底砂がある場合は、潜っている(引っかかっている)ケースもあります。
一度外に出てしまった虫が、再度、口から体内に侵入することは
考えにくいですが、発見したら念の為、直ぐに取り除くべきでしょう!
「気持ち悪い・・・」と思うより、「あ、出てよかった!」と
発想を変えた方が良いでしょうね!(笑)

右上の画像は、良くみかけるタイプのもので、長く平べったい形状を
しています。
右下の画像は、あまり見かけないタイプで、体にボコボコとクビレが
あるのが確認できます。
気になる方は市販の虫下しハンバーグで取り出すのも効果的かと
思います。



■ 謎の赤い斑点
稀に腹裏に、吹き出物か、或いは内出血をしているのかのような
症状を持った個体を見かける時があります。
これが一体、何であるかは不明ですが、原因として以下の様な事が
考えられます。
@底が汚れている。
A水質が個体に合わない。
右の個体は、ショップから購入したての時の画像です。
自宅の水槽に移し、頻繁に水換えをした後、この症状は消えた事から
下手にj薬の投与は避け、少量多回数の水換えで治療するのが
望ましいでしょう。
しかし、しばらくして、他の個体は、全く平気であるにもかかわらず、
この個体だけが、腹裏の他の位置に同じような赤い斑点が再発した
事がありました。もしかしたら、他の個体より何らかデリケート?で
あるが故に、このような赤い斑点が出るものだという事も言えるかも
しれません。これで死に至る事は考え難いですが、いずれにせよ、
このような症状を発見した場合は、先ず少量多回数の水換えで
様子を見た方が個体へのダメージも少なく、無難であると言えます。




■ ワイルドは気が荒い!
WILDエンドリケリーは、ブリードものと比較して
気が荒い個体が多いように感じます。
混泳させた場合、最初大人しくしていても、そのうち頭角を表す
個体がいます。
私自身、過去に、どうしようも無い暴れん坊の個体を仕方なく
出したことがあります。

個体同士の相性、環境の問題も深く関与してくることから、
混泳は、「こうやるべきだ!」と言い切れない部分があります。
個人の飼育環境に合わせ、妥協点を見つけながら望んでみて下さい。

ポリプ同士の喧嘩は、最初だけ・・・という事も意外と多く見受けられる
事から、先ずは放置して治まる事を見守った方が良い場合もあります。



■ ワイルドは、意外にも食欲旺盛!
ある程度のサイズのWILD個体に多く見られますが、
意外と食欲旺盛だったりします。
一見、ヒョロヒョロな痩せ個体でも、生餌を投入すると、
ガンガン食います! 
「やはり、自然下での捕食は難しいのか?」と思わせる程、
腹がパンパンになるまで食う個体もいます。

捕食シーンは肉食魚の魅力の一つです。
導入後、粘膜が剥がれ、体調を崩した個体が復活後、
ウソのように食いまくるようになった個体もいました。
購入した個体が、食欲旺盛ならば、先ずは「大当たり!」と
見た方が良いでしょう!



■ 突然起こる食欲不振???
今まで食欲旺盛だった個体が、ある日突然、何故か全く食わなくなる
状況が起きます。残念ながら、その理由は、全く検討がつきません。
水質の問題、或いは 混泳からくるストレスなのか???
色々と調べてみても答えが出ない時があります。
しばらく放っておけば、そのうち食う事は食うのですが、
一旦食欲不振になった個体は、腹裏が凹むまで何も食わない状況が
しばらく続くこともあり、飼育者が、せっかく良い体型を作ろうと
意気込んでいても、それに拍車がかかってしまい、飼育意欲をも
失わせるのです。
そんな時にお勧めの餌が、活きたドジョウです!
個体の好き嫌いの差もあるかと思いますが、今まで全く餌に見向きも
していなかった個体が、何かにスイッチが入ったかの様に、
バクバク食い出したのを何度も経験した事があります。
きっと、目の前でウネウネするあのアクションや臭い等が、食欲を
そそらせるのでしょう!(笑)
(ちなみに、成魚に限る事です。稚魚期では参考にしないで下さい。)



■ ブリードのベビーをデカくする方法
ブリードの稚魚を将来デカく育て上げたいという場合は、餌の充実や
ザイズに合わせ段階を踏んだ飼育設備の投資は勿論の事ですが、
先ずは、その個体がデカくなる素質があるか否かを見抜く事が
重要になるのです。
大きくなる素質を持つ個体というのは、他の個体と比較して、
かなりの食い意地がはる個体、そして良く泳ぐ(運動する)個体です。
この「食い意地」というのは、非常に重要で、普通に食うのでは無く、
異様に食う個体のことを指します。極端な話、水換え中に他の魚が
パニックを起こしている最中、平気で餌を食っている様な奴です。
そういった個体を、同ロットの数ある中から抜きましょう!
その見極め方は、ロットの中から他の個体と比較して一回りサイズ
UPしている個体が、上記の可能性を秘めていると言えます。
一回り大きいという事は、稚魚期により多くの仲間を共食いしてきた
可能性が高く、それだけ体に栄養が多く回っている事が推測できます。
また、他の個体よりも確実に餌を多く食っている証でもあるのです。
購入以降は、俗に言う「生餌漬け」なる方法でも構いませんが、
可能であるならば、生餌ストック水槽を用意し、毎日餌を食える分
だけを見極めて与えた方が、生餌に対する慣れが緩和され、
食欲が低下しない事に繋がります。
最後に、基本的な事ですが、新陳代謝を活発に促すために、
水換えは毎日行いましょう。



■ チャド産の真実
「チャド産」、非常にマニア心をくすぐる言葉です!
私も昔、この言葉には人一倍騙されたものでした・・・(笑)

現在、WILD個体より、数多くのブリード個体にそのような名前が
付いているものを良く見かけます。
ブリードものの「チャド」、「チャド産」とは如何なるものか?
80年代後半〜90年代前半にかけて輸入された「チャド湖産」が種親、
その個体が繁殖して採れた稚魚・個体という事です。
何故「チャド産」がそんなにモテはやされているのか??
それは、他の産地のエンドリに比べ、体色が赤い、バンドの色が濃い、
盛り上がった体型、背鰭が三角・・・等々。
しかし、これらの特徴は、単にマニア間で言い伝えられていた
語り草に過ぎず、残念ながらその根拠・証拠は全くありません。
当時このチャド産を日本に輸入した業者は、廃業時に
「実はチャド湖で採れたものではない・・・」と暴露したのはあまりにも
有名な話です。

・・・という事は、どういう事だろうか???
「チャド」とは、全くのデタラメな話になるという事です!
もともとのチャド産自体が嘘という事は、「チャドタイプ」や「本チャド」
という表記は、更にあり得ない話になります。(笑)
私も昔、チャド産の稚魚を高い値段で購入していました。
確かに、チャド産と表記された魚は、他の国産ブリードで販売している
魚より良く見えたりします。
それもその筈、良さそうな個体・ロットがチャド産という利益商品で
分けられているだけの話なのですから・・・。
チャド産の定義は、体色が赤い、バンドの色が濃い、盛り上がった体型、
と今まで、伝説的に様々な事が言われてきましたが、
これらは、マニアが 「そういうエンドリケリーになって欲しい!」という
ある種の憧れや願望といったものから来たものだと思われます。
そういった事実的背景を踏まえ、改めて「チャド産」を定義し直すと、
『いかにして高く売るか!』 もしくは、
『付加価値を付けての高利益商品
・・・という事になるかと思います。
日本には存在しない、あり得ないチャド産の稚魚をモテはやし
高く購入し、自己満足に終わる・・・。正直、悲しすぎます。


では何故、ブリードもののチャド産がここまで浸透してしまったのか?
という理由を突き詰めると、以下の3点が上げられます。
@ 某ブリードエンドリケリーのセールストークが、多くのマニアを刺激し
  その販売手法に追随する他のショップが多数出現した事。
A ネット上で、あまりにも「チャド」・「腹巻」等を もてはやした
  エンドリケリー専門サイトが出現し、多くのマニアやショップに
  刺激を与えてしまった事。
B 某オークションの出品者達が個体を高く売るために「チャド」という
  付加価値をつけて出品し続けた事。
  安価で購入した東南アジアブリードをチャド産として横流しし、
  マージンを得ている状況を数多く見かけました。

・・・という背景があります。
Aに関しては、私がサイト立ち上げた当初のチャドを前面に出した
スタイルが周りに悪影響を与えた・・・と、多くのマニアさんから
苦言をを呈されておりました。
その観点から言うと、ネット上で変に「チャド」・「腹巻」を広めてしまった
私はA級戦犯ということになりますね・・・(汗)
( 実際、「チャド×チャド」という表現や、プラケースに稚魚を入れ下から
腹裏の画像を撮る撮影手法は、私のサイトが最初でした・・・。)
今まで分からず飼育していた事、また、信じていた事が嘘であったと
理解・確信できたからには、今後一飼育者として変な時流に流される
事なく、この魚の魅力を改めて深く追求していこうと思っています。

当たり前な話になりますが、エンドリケリーを購入する際は、
その個体が持つ魅力や、個人の好み・拘りの観点によって選別し、
購入して下さい。














■ ショートについて
通常より体長が短い個体は、「ショート」と呼ばれており、
白変同様、希少価値が高いとされています。
「ショート個体は何頭身か?」、或いは「背鰭の数は何枚か?」等と、
ショートを収集されるマニアの間で「ショートの定義」なるものが
その都度、物議を醸し出していますが、これにはしっかりとした
定義は存在しません。
それは全て売り手側のセールストークで、勝手に解釈・定義化された
ものに過ぎないからです。
ショート個体は、誰もが見ても「短い!」・・・ただそれだけなのです。
稚魚期に「短いかな?」と思われる程度の個体は、
成長とともに普通の長さになった・・・という話を良く耳にします。
< 実際、私も経験してきました。(^^;

ショート個体というものは、エンドリケリーだけではなく、
アジアアロワナ等、
他の魚にも存在します。
ショート個体は、いわゆる「奇形」です。
エンドリケリー(ポリプテルス)においては、ガノインの乱れが
100%に近い確率で確認できるでしょう。
ガノインの乱れの他、体の一部が凹んでいる、または骨が曲がって
いる等、その個体によってケースbyケースです。
しかしながら、イカツくみえるショートは、非常に人気が高いです。
希少性という観点から価格はかなり高く設定されるのが現状です。
購入を考えられる方は、奇形という認識のもと、購入・飼育して下さい。




■ 餌を食べないのですが・・・?
掲示板へ寄せられる数多くの質問の中で、最もも多いものは、
『餌を食べないのですが、どうしたら良いでしょうか?・・・です。
状況を聞くと、「まだ買ったばかりの個体・・・」というケースが
多くの共通点として見られます。
その様な場合は、時間が解決するので、焦る必要はありません。
理由は以下の様な事が想定できます。

@ 魚を水槽に入れたばかりで、餌を食べない。
  →環境に慣れていないので餌を食べないだけ。
A 買ったばかりで嬉しさのあまり、ライトを点灯し続け、
  水槽を覗き込み過ぎ。 また、レイアウトを頻繁にいじり過ぎ。
  →魚がおびえているだけ。
B 「餌が悪いのか?」と勝手に解釈し、「これでもか!」という具合に
  様々な餌を水槽内に投入。
  →魚が落ち着かないだけ。

という感じでしょうか・・・。
また、エンドリケリー(ポリプテルス)は夜行性ですので、
昼間は底にジッ・・・としている個体が多いです。
夜、消灯して(暗くなって)から餌を食べる傾向が強いので、
心配御無用と言えます。
混泳魚からの過度なプレッシャー等が無い限り、
環境に慣れ次第、腹が減ったら自然に食べる様になります。










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